長崎街道八戸の家 佐賀県佐賀市 井手様
2022/06/02
棟梁(建築士)松尾さんの事
古民家再生の専門家松尾進さんは数々の古民家の移築・再生を手がけ情熱を燃やす、研究も怠らない。
松尾さんは「百年もてた家は手を加えれば百年は持つ」と言う。その言葉に心を動かされ井出邸再生を決意。
古き家は 手を加ふれば これからも 末代までも 保ちいくなり
木を信じ 気を知り尽くす 棟梁に 託せし生家は 蘇りくる
再生に 賭くる頭(かしら)の 情熱は 夢とロマンに 満ち満ちてをり
古民家に 思ひを馳する 棟梁の 興味溢るる 話楽しき
松尾さんの愛弟子 和田恵理子さんの事
和田さん国立大学工学部建築家を卒業、一級建築士の資格を持つ。
親元の大分を離れ佐賀県鹿島の師匠の松尾さんに師事す可愛い娘さん。
大学で 建築学びて 資格とり 匠を目指す 親元離れ
古き家に 魅せられ師につき 修行する 若き乙女の けなげなるかな
自らも 壁土を塗り 手を汚し 伝統の技を 体得しをり
師は弟子に わが子のごとく 目を細め 匠の技を 伝承しをり
古民家再生の達人・職人さん達のこと
やってくる大工・左官・瓦葺の職人さんたちの腕は確か
古民家を 蘇らせる 匠らの 技後の世に 残しおくべし
長男として先祖祭り・墓守りのつとめを果たす覚悟を決める
この家に 宿る祖先(みおや)の 御霊(みたま)をば 守りいかむと 心決めたり
古民家専門の建築士の熱意にほだされてわが家の再生を決断
棟梁に 再生託せし 我が家の 秋の完成 待ち遠しかり
ふるさとの佐賀ライフを楽しみたい
ふるさとへ 妻ともどもに 移り住み 終の棲家の 暮らし待てるる
私の実家は長崎街道
街道に 沿ひて佇む 古き家(や)は 今も明治の 面影残れり
実家は代々呉服屋を営んでいた
格子戸と 土蔵造りに 在りし日の 商家の風情 漂ひにけり
社会人になるまでこの家で暮した
この家に 生い立ちたれば 若き日の 思ひ出多(さわ)に 今も浮かび来
のどかで豊かな佐賀平野は私の原風景
佐賀平野 天山・背振 多良・雲仙 昔のままに 景色変はらず
末弟夫婦が父・母を守り生家を守ってくれた
家を守(も)り 父母の看取(みと)りに 忠実(まめ)なりし 末弟(おとうと)夫婦に ただありがたし
家を出て五十年、いずれは佐賀にとの思ひは強まる
いつの日か 戻りて住まん その思ひ 老ゆる日ごとに つのりきたりぬ
入仏法要
実家の古い家の改修に合わせ、先祖伝来のお仏壇が古くなったので思い切って修理することにした。
修理は照光寺様からご紹介いただいた蓮池の早田仏具店にお願いし二ヶ月かかってお仏壇が戻ってきた。
家の改修が終わるまで治助の家に仮に安置してもらった。
三月七日は母ウタの一周忌だったのでその前に照光寺様に来ていただき入仏式を行うことにした。
本願寺様から頂いた名号を住職様自ら祭壇に飾っていただきお経をあげていただいた。
峯子、民生、治助、福恵、悦子、良治のきょうだいでお参りした。住職様が「仏壇の修理は何十年に一度のこと、めったに出来ないことでありがたいことである」と言われ、一同何か良いことをしたような気持ちになり嬉しかった。
仏具師の 心を込めて 修理せる 古き仏壇 金色(こんじき)に映ゆ
祭壇へ 名号絵像を 飾りまし 心込めたる 読経賜る
うるしの香 漂ふ中に 手を合わせ われら一同「正信偈」唱ふ(となふ)